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2015年4月29日水曜日

平成の新進看板建築

町の商店街に見られた『看板建築』の話です。

東京亀戸天神の藤まつりに行った帰り道です。
往路に通った時気になるモノがチラリと目に入っていたのです。
気になってその道を曲がりました。香取神社参道です。

その通りには、今では珍しい看板建築のお店が並んでいます。
看板建築と云うのは、大正末期から始まり、関東大震災のあと大人気になって商店街に現れた独特の風貌を持つ店舗建築です。
戦後の看板建築
江戸時代から明治時代に続いた『出し桁造り』は、老舗と云われたお店の多くが震災で崩壊しました。
力のあるお店はコンクリート造に、普通のお店は木造の2階建てに、改築されたのですが、少しでも立派に見えるように店舗前面に3階建てに見えるような壁面看板を付けるのが流行りました。
木造3階建が禁止されたことも大きな理由でしょう。
この看板にはいろいろな飾りをつけたり石造りと見まごう作りにして店の風格を上げる工夫をしました。
しかし、それも戦火で焼けたあとは次第に質素なものに変化し、さらに近年の物流界の変化でそのようなモノへの関心が薄れていました。
商店街の客離れが進み、殆どの看板建築が消えて行く中、立派な看板建築を見つけました。
全盛期を思い起こす、レトロな看板建築
銅板などで装飾された壁面に OO商店 のような書き込み、あるいはモルタルで鏝絵のような装飾を作ったモノまで・・・私が子供のころはたくさんありました。
香取神社参道で見たモノ、それはどこか違います。
色使い、デザインが今風です。
未確認ではありますが、地域振興のため装飾を更新した新進看板建築のようです。
それを倣ってか新しい看板作りも進んでいるようです。
この家は3階建。
一般的に看板建築は木造2階建て、見立てを考え高い看板壁を付けています。
地元商店街が陳腐化する中、新しいスタイルの看板で頑張っています。
業種による営業時間の問題も大きい。
地域振興が叫ばれ行政もいろいろ考えているようですが、これはなかなか難しい問題でしょう。
この商店街は結構人通りも多く賑わいを取り戻しているように見えます。
しかし良く見ると業種が偏っています。
なんでも揃う地元商店街が特定業種しかない『間に合わせ商店街』になっているような気がします。
これは心配です。
『間に合わせ商店街』になってしまうとその時必要なモノしか買わなくなり、採算が悪くなっていきます。そうなると行く先が見えてしまいます。
10年20年の延命措置は出来ても次世代に続く永続的な延命は・・・
時代に即した業種に転換したり、地元客だけでなく観光客にも対応できる商店街づくりを期待します。